ハーテンバーグ・グラベルヒル

植樹は1970年代。グラベルヒルの畑は、表面は約40ｃｍの砂利質の土壌がになっている。その下に粘土質の層がある。ブドウの根は、その砂利質の土壌を突き抜け、粘土質の層まで数メートルにも伸びている。冬の雨は砂利土壌を抜けて、下の粘土層にまで達する。この特別なブロックは、ブドウ1本の木に数房しか出来ない。またブドウのサイズも通常のシラーズの半分程度で、その結果、凝縮した香りと色のユニークなブドウが育つ。発酵後は、225Ｌのフレンチオークで18ヶ月熟成（新樽50％、2年目の樽50％使用）。黒系果実、スミレ、スパイス、黒コショウ、香水、オークなどの香り。柔らかな酸、細やかで洗練された上品な渋み、赤系＆黒系果実の複雑な風味や心地良いスパイスの風味。タイトでしっかりとしたボディ、凝縮した果実、細やかな渋みなどが大きなスケールでバランス良く保たれている。余韻は長くエレガントでリッチな味わい。これまでの経験から、このワインの本領が発揮されるのはヴィンテージ+10年前後から。その時には、南アフリカの他のシラーズを寄せ付けないほどの圧倒的なパフォーマンスを発揮し、「さすがハーテンバーグ、南アフリカを代表するシラーズのスペシャリスト」というのが頷ける。ハーテンバーグ社のフラグシップに相応しい南アフリカ最高のシラーズの1本。グリルした肉料理、フィレステーキ、ローストしたサーロイン、ビーフシチュー、羊肉、マッシュルームリゾットなど。

ハーテンバーグ社のトップレンジで単一畑のテロワールを表現したワイン。もともとは、オークション用に作られていた商品。ハーテンバーグ社で、最も品質の高いシラーズ畑の１区画分から作られている。ハーテンバーグ社は、南アフリカで最初に同一品種で畑違いのブドウを違うタンクや樽に分けて醸造し、テロワール違いを表現したワイナリーの一つ。グラベルヒルの初ヴィンテージ（当時は「モンターニュ」というラベルだった）は1978年。その後1995年に現在のグラベルヒルという名前になった。セラーマスターのカールは、1993年に同社で働き始めた時に「グラベルヒル」の畑のシラーズが、同社の他の畑から出来たシラーズと比べて特別なレベルであることを発見した。その後、ケープ・ワインメーカーズ・ギルド（ＣＷＧ）に加盟し、ＣＷＧオークション用に、このグラベルヒルを生産した。グラベルヒルは、2007年の同オークションのシラーズ部門では、最高値で取引され、また、全てのエントリーワインの中でも2番目に高い金額で落札された。また、このグラベルヒルは、ＣＷＧオークションに最も長くエントリーしている長い歴史のある商品になっている。