ダーマシーン・ステレンボッシュ・シラー

畑は3箇所。最初の2つは標高300m以上の高地にあり冷涼。土壌は風化した花崗岩。ポカドライヒルの畑は1996年に植樹。斜面は南東側の冷涼斜面。この畑のブドウは、ワインに香水とスパイスの香りを与える。ボタラリーの畑は、2001年に植樹された低収量の北西の温かい斜面。ここからは骨格と凝縮した果実味のブドウが作られている。3つ目の畑は、デヴォンバレーの冷涼なサイトで土壌は風化した花崗岩のグループに所属する深いオークリーフ土壌。この畑のブドウからワインに酸や白コショウのニュアンスを与える。収穫後は、区画ごとに小さなタンクで50〜100％の割合で全房での天然発酵。タンクはオープントップの発酵タンクと1000Lのオーク・フードルを使用。オープンタンクの方は、１日に２-３回、パンプオーバーとピジャージュを行う。オーク樽の方はブドウを漬けたままで、ワインに骨格と凝縮感を与えている。また、一部はカルボニック・マセラシオンの状態で30日浸漬。その間は、攪拌（かくはん）作業は行わない。この部分は、最後にブレンドし、ピュアでシルキーなタンニンを与える。マロラクティック発酵を経て、11ヶ月熟成。無ろ過で瓶詰め。生産量4224本のみの少量生産。赤系果実、黒系果実、フレッシュなチェリー、野イチゴ、ジャスミン、スミレ、白コショウ、スパイスの香り。フレッシュで柔らかく心地良い酸味。細やかで洗練されたシルキーな渋み。ボディは中庸で程よくしっかりしたバックボーンを感じる。口あたりは滑らかで美しいピュアな果実のジュースが印象的。エレガントな余韻が最後まで続く。フレッシュな果実味とスパイス、ミネラルがバランス良く融合し綺麗にまとまっている。南アフリカでもトップクラスのステレンボッシュのローヌ・スタイル・シラー。今飲むならフレッシュでピュアな果実味を楽しみ、また5-10年熟成したら更に美しいワインになると思われる。牛肉、ローストビーフ、羊肉、ローストポークなど。